山梨学院大学ニュースファイル

山学大PEGASUS7回目の天皇杯山梨県代表に輝く

Vol.3475 | 2025年4月27日

同門トップチーム山学大サッカー部を破り意地を見せた
全員ハードワークでチームの目標を堅持

「天皇杯第105回全日本サッカー選手権山梨県代表決定戦」が4月27日、JITリサイクルインクスタジアムで行われた。今回の決定戦は山梨学院大サッカー部(GALAXIES・トップチーム)と山梨学院大学PEGASUS(ペガサス・セカンドチーム)の山梨学院チーム同士の戦いとあり、注目度が高まった。山梨学院大サッカー部は昨年まで東京都予選を戦っていたが、今回から山梨県予選に出場が可能になった。結果は、前半に序盤に先制した山梨学院大学PEGASUSが最後までアグレッシブな戦いを展開。2対0で4年ぶり7回目の出場を決めた。試合は、開始早々から互いに激しいアタックでボールを奪う合う中で、山学大ペナルティーエリア付近でのヘディングパスの応酬からPEGASUS #7MF横田矩克がループなボレーシュートで先制した。このシュートを機に互いにロングボールからのサイドアタックで好機を見出そうと前線にボールを供給し、互いに惜しいシュートも放つが得点にはつながらず一進一退の膠着状態が続き、アデショナルタイムに山学大は#7MF北野明暉がレッドカードで退場。後半に入ると、一人少なくなった山学大に対し優位に立ったPEGASUSが攻勢を掛け、20分にはCKのセットプレーで中央に詰めていた#8FW清水璃音が鮮やかなボレーシュートで2点目を挙げた。その後、山学大も猛攻を仕掛けるが、得点には至らず2対0でPEGASUSが山学大を破り、“意地対意地”の試合に終止符を打った。

「天皇杯JAF第105回全日本サッカー選手権大会」は5月24日・25日に1回戦が行われ、決勝は11月22日、国立競技場で行われる。出場チームはJ1・20チーム、J2・20チーム、アマチュアシード1チーム、都道府県代表47チーム、大学連盟選出の東洋大を含め全89チームによって争われ、サッカー日本一のチームを決める。山梨県代表決定戦は山梨学院大サッカー部のトップチームの山梨学院大GALAXIESと、セカンドチームの山梨学院大PEGASUSの対戦。山梨学院大GALAXIESは、東京都予選に出場していたが東京都リーグが関東大学リーグ東京・神奈川に改組のため、今年度から山梨予選に初出場となり、同門同士の試合が実現した。

前へのハードワークを貫く攻撃サッカーで相手を粉砕

❖会場のJITリサイクルインクスタジアムは雲一つない快晴。山梨県代表決定戦は有観客で行われ、スポーツの観戦日和となった。試合は午前10時、山学大のキックオフで開始された。互いにハードワークを身上とする両チームは開始早々から互いに激しいアタックでボールを奪い合った。序盤4分、山学大ペナルティーエリア付近でのヘディングパスの応酬からPEGASUS#7MF横田矩克のループボレーシュートが山学大GKの頭上を越え、ネットを揺らした。このシュートを機に、互いにロングボールからのサイドアタックで好機を見出そうと前線にボールを供給し、惜しいシュートも放つが得点にはつながらず、一進一退の膠着状態が続いた。中盤には、山学大の攻撃がやや優勢に傾き、右サイドからのクロスを#9FW吉長由翔が合わせるもポストに嫌われた。33分にも山学大、右サイドからのショートパスから中央の#9FW吉長がシュートするもPEGASUS#1GKファーガソンが阻止。山学大の攻勢にも冷静に対処した。しかし、山学大はアデショナルタイムの中で#7MF北野明暉がレッドカードで受け退場。PEGASUSが1対0とリードしてハーフタイムに入った。

❖後半、一人少なくなった山学大に対しPEGASUSが攻勢を掛け、優位に立った。やや焦りの見える山学大に対し、細かいパス回しやサイドアタック、球際でのボール保持などで主導権を握った20分には、CKのセットプレーで中央に詰めていた#8FW清水璃音が鮮やかなボレーシュートでPEGASUSが2点目を決めた。その後、山学大もトップチームの意地を懸けて猛攻を仕掛けるが、攻守の連係が機能せず得点には至らず、PEGASUSが勝利を守り切った。“意地対意地”の互いに諦めない姿勢を見せた好試合に終止符が打たれた。これで山梨学院大PEGASUSの天皇杯出場は4年連続7回目の出場となった。

試合記録

◆山梨学院大GALAXIESスターティング11
#1GK小櫃政儀、#3DF加藤佑太郎、#④DF原田蓮斗、#6DF三木響介、#6DF山田 佳、#7MF北野明暉、#28MF仲 大和、#9FW吉長由翔、#13FW池田悠夢、#17MF鈴木斗優、#18FW五十嵐真翔 
※#に〇印はキャプテン

◆山梨学院大GALAXIESリザーブ
#21GK柴崎海翔、#2DF岩﨑柊汰、#5DF小松憲矢、#10MF山田翔遥、#16MF金津力輝、#20MF長山翔真、#19FW山本叶多

◆山梨学院大GALAXIES交代
#9→#10、#18→#16、#28→#20、#17→#19

◆山梨学院大学PEGASUSスターティング11
#1GKファーガソン アリスター、#6DF斎藤拓麻、#⑯DF小野 暉、#24DF芳野 伯、#28DF横山貴也、#7MF横田矩克、#10MF若松 歩、#17MF鈴木 颯、#26MF錦織隼斗、#8FW清水璃音、#13FW安藤喜琉
※#に〇印はキャプテン

◆山梨学院大学PEGASUSリザーブ
#21GK廣瀬大翔、#3DF西 健汰、#23DF小川加偉、#11MF村田智哉、#14MF福沢安莉、#27MF中村史温、#9FW田中ハーディー啓秀 

◆山梨学院大学PEGASUS交代
#3→#6、#7→#11、#10→#14、#17→#27、13→9

試合後、インタビュー

GALAXIESの石川邦明ヘッドコーチは「トップチームで天皇杯初出場の試合で、相手の動きが良くなかなか難しい試合でした」。「リーグ戦の間にこういったトーナメントがあるので、選手たちは難しかったと思います。身内での決勝なのでやり難さがあったと思いましたが、選手たちは頑張っていい試合にしてくれたと思います」選手を労った。現在、リーグ戦は苦戦しているが影響はあったかについて、「選手たちは毎日ひたむきに練習をしていますので、特に連敗とかネガティブな要素はなかったです」と長いリーグ戦に向けて気持ちを切り替えていた。
原田蓮斗主将は試合を振り返り「向こうはチャレンジャーの気持ちできているので勢いもあったし、気持ちの面で相手が上回っていたかなと思います。もちろん自分たちはGALAXIES だからとか社会人チームだからとか、そういう気持ちで戦ってはだめだと思っていましたし、自分たちもチャレンジャーという気持ちでいこうと思っていたのですが、入りの4分に失点してから、レッド(カード)も出て、なかなか相手の勢いを返せないまま終わってしまった」と悔やんだ。今後のリーグ戦に向けては、「自分たちも1勝できれば絶対変われるので」と前を向いた。

下剋上を果たしたPEGASUSの川邉裕紀監督は、「自分たちのスタイルが出せるかというのがキーポイントだったのですが、立ち上がりのところは積極的にシュートを打ったことで結果、得点は入りましたが前半は少し引いて入ってしまったことが反省点で、後半は修正しての戦い方は良かった」。同門同士の一戦で選手のモチベーションは「この試合に懸ける選手ばかりなので、特に4年生はGALAXIESに勝つという強い気持ちでここまでやってきたというとところもあるので、そういった意味では結果が出て良かった」。本選に向けては「初戦に勝利して、2戦目のガンバ大阪戦を見据えているのでしっかり準備して臨む」とJリーガーとの戦いに意欲を示した。ディフェンスの要として前線を鼓舞した小野 暉主将は、PEGASUSに勢いがあるという前評判について「相手はリーグ戦で負け続けているので正直負ける気はなかったし、ただチャレンジャーとして挑んだのでこういう結果につながった」と伸び伸びとフィールドを駆け回った。序盤、先制点を挙げてチームを勢いづけた横田矩克選手は先制点の場面を「試合開始直後だったので、試合に入るためにも振っておこうと思って振ったらいいところに飛んでくれました。ゴールは常に狙っていましたけど」と積極性が功を奏した。勝った要因については「GALAXIESが試合に勝てていなくて、この状態でPEGASUSの強みの前へ勢いのある攻撃などを全員が意識していたことが勝ちにつながった」と話した。本選には「昨年は1回戦で相模原に負けてしまったので、今年はとりあえず初戦突破で」と準備を進める。

山梨学院大PEGASUS1回戦は5月25日午後1時から、三重県で三重代表と対戦する。

文(K.F) カメラ(平川大雪・小池裕太) 2025.4.27