山梨学院大学ニュースファイル

第59回関東大学女子バスケットボール選手権

Vol.3477 | 2025年4月29日

“常勝常笑”軍団 初戦日大戦に圧倒勝利
林監督 内容が悪いと選手に切り替えを求める

4月19日に開幕した「第59回関東大学女子バスケットボール選手権大会」は、大学バスケットボールのシーズン開幕となる大会で、1都7県の71の大学がトーナメント方式で関東一を争う。4月29日の大会5日目、山梨学院大バスケットボール部女子の初戦が埼玉・立教大新座キャンパスで行われ、日本大学(2部Bブロック)と対戦した。昨年はこの大会で3位入賞を果たし、その勢いを駆って2023年にリーグ戦1部から2部への降格を1年で復帰して見せ、今回も強豪校を脅かす存在として上位入りが期待される。試合は第1Q、日大の3Pシュートで始まった。すぐにエース藤澤夢叶の3Pなどでリードすると後半、C(センター)山田愛結への連続セットオフェンス(セットプレー)などで23対16と差をつけた。第2Q、山学は留学生のC・アデバンジョ ブレッシングにボールを集めてポストプレー、オフェンスリバンドで得点を重ねた。日大もスピードある攻撃で山学ディフェンスの隙間を縫った反撃をするも、山学が51対34と差を広げた。第3Qに入っても激しい攻防を続ける中、藤澤の正確な3Pが4連続で決まるなど会場を沸かせ、84対53の大差で最終セットに。第4Q序盤、日大は3Pや果敢なドライブシュートで見せ場をつくるも、山学はサブメンバーを次々と投入し、躍動感あふれるプレーを見せた。試合は111対65で初戦を勝利した。次戦は5月1日、神奈川大とベスト8を懸け、次は5月3日の準決勝、5月4日決勝戦と続く。

山梨学院大バスケットボール部女子“常勝常笑”軍団は2014年、この大会「関東大学女子選手権(関東トーナメント」で、2部チーム初の優勝の快挙を成し遂げた。それからも1部の実力があるも、足踏みが続いた2019年、1部リーグ5度目の挑戦で創部12年目にして悲願の1部昇格を果たした。そして2023年、4年間維持してきた関東1部リーグで不覚にも2部降格に屈し、2024年4月、1年で1部復帰を目指してシーズンを迎えた。昨シーズンは強豪ひしめく5月の関東トーナメント3位、秋季リーグで2部Aブロックを14勝0敗で本来の実力を見せ、復帰を果たした。そして2025年4月、新しいチームとなり、大学バスケットボールのシーズン開幕となる大会のコートに立った。

日本大学との前半戦、第1Qから山学が主導権を握る

❖試合は第1Q(クォーター)、日大の3Pシュートで始まった。立ち上がりから両チームともスピード感が溢れるプレーでぶつかりあった。山梨学院(山学)も、すぐにエース#5藤澤夢叶(4年)の3P、若手のホープ#13樋渡梨桜(2年)、#70皆川もえ(4年)の連続ドライブシュートなどで徐々にリードするが、日大のアグレッシブな攻撃でやや手を焼く場面もあり、後半、#18センター山田愛結(4年)を投入すると長身を活かして連続セットオフェンスプレーなどで23対16と差をつけた。第2Q、山学はインサイドプレーに圧倒的な強さを持った留学生の長身#14アデバンジョ・ブレッシング(2年)にボールを集めてポストプレー、オフェンスリバウンドで一気に得点を重ね、さらに主力の#13樋渡のレイアップシュート、パスをつないで決めた#70皆川のドライブシュートとなどで主導権を握った。しかし、日大も闘争心を露わにし、スピードある攻撃を展開。随所で山学ディフェンスの間隙を縫った反撃をするも、このクォーター、山学が51対34とリードし前半を終了した。

❖第3Q、サイドが変わっても山学の激しい攻勢は続き連続8得点を重ねる。さらに前半、影を潜めていた#5藤澤の正確で芸術的な放物線を描く3Pが4連続で決まるなど、昨年暮れのインカレ3位決定戦で魅せた驚異の38得点中30点(10本)の3Pを彷彿させ、会場を大いに沸かせた。得点も84対53の大差となり、最終セットに。第4Q序盤、日大は3Pや果敢なドライブシュートで見せ場をつくるも、山学はサブメンバーを次々と投入。SGの#26岩佐妃花(2年)が連続3Pを決めるなど、それぞれが躍動感あふれるプレーを見せた。試合は111対65の大差で初戦を制した。

試合記録

◆山梨学院大学スターティング5(ファイブ)
#5・G藤澤夢叶④、#13・PG樋渡梨桜②、#14・Cアデバンジョ ブレッシング②、#17・SG北條瑚奈②、#70・SF皆川もえ④の5人。
※#前〇印:主将 #〇印学年

◆他登録メンバー
#0・SF平野和々美②、#1・G赤石華音②、#72PG・平野里奈①、#3・SG牧野琉依①、#6・SG森田ひなの②、#7・SG安藤美優①、#18・C山田愛結④、#22・Cアチャラ オゲチクランシー④、#26・SG岩佐妃花②、#35・SG京橋菜々子③が途中、随時交代した。

試合後インタビュー  林五十美監督快勝にも厳しい評価

林五十美監督は戦いぶりを「初戦の硬さはありましたが、内容的には自分たちのバスケットをやり切れないで終わってしまった。もちろん高さの部分はあったのですけど、うちはそこだけで勝負をしているわけではないというところを、コートで表現できなかったことが残念」と渋い表情で話した。次の神奈川大戦に向けて「もう1度しっかり気を引き締めて、自分たちのバスケットができるように、簡単ではないですがゲームは続いて行くので、今日は今日でしっかり切り替え、修正をチームに求めます」と具体的な話は控えた。
スーパーエース・主将の藤澤夢叶選手は大差の勝利にも「スタートの入り出しがよくなくて受け身になってしまい、自分たちのプレーができなかった。相手は結構いいプレーがあって、そこをしっかり止めきれなかった」と内容の不満を挙げた。前半、自身の得意な3Pが出なかったが「自分にパスが回ってこなかったのは振り切りの悪さだと思いますが、後半はしっかり声を掛けてパスが回ってきたので、決め切れてよかった」と4連続3Pの精度の高さを見せつけた。インゴールで圧倒的存在感を示したC アデバンジョ・ブレッシング選手は「オフェンスはよかったけどディフェンスがあまりよくなかったので、次はディフェンスを頑張ります」。オフェンスのよかったところは「リバウンドを取ってからすぐ走れたのがよかった」と話した。

山梨学院の次戦は5月1日、関東1部リーグの神奈川大とベスト8を懸け対戦する。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.4.29