山梨学院大学ニュースファイル

関東大学女子バスケットボール選手権 準決勝

Vol.3479 | 2025年5月3日

東京医保大の攻撃力、堅守に山学スタイル貫けず
夏に走り負けず、当たり負けない体力づくりを

5月3日、多くの大学スポーツイベントが開催されている中で、「第59回関東大学女子バスケットボール選手権大会」準決勝が日本体育大学世田谷キャンパスで行われた。準決勝に進出した山梨学院大バスケットボール部女子“常勝常笑”軍団はここまで1回戦を日大に113対65。2戦目の神奈川大108対46とともに圧勝し、準々決勝は関東1部リーグ常連校の早稲田大と対戦。前半から主導権を握りリード。後半は点差を詰められる場面もあったが、最終クォーターを落ち着いて対応。86対61と第1関門を突破した。5月3日、準決勝は相性の悪い東京医療保健大(東京医保大)との対戦。第1Q序盤、東京医保大の先制で始まった。続けて同選手の3Pでリードされ劣勢に立たされた。山学も再三、攻勢を掛けるが東京医保大の堅守で得点を奪えず、第1Q中盤にようやくゴール下のアデバンジョ・ブレッシングが初得点を上げるが、その後も東京医保大の攻撃力が勝り7対24と大差をつけられた。第2Qはブレッシング、アチャラ・オゲチクランシーのポストプレーや藤澤夢叶の2本の3Pで25対36と徐々に点差を詰める。後半第3Q、開始早々に樋渡梨桜が3Pを決めるも、東京医保大の攻勢は衰えを見せず点差を38対58へ広げた。第4Q序盤、さらに東京医保大が先行。山学も藤澤のドライブ、スティールからのランニングシュート、樋渡、藤澤の2本の3Pで追撃するも及ばず、55対72で準決勝敗退。4日の3位決定戦に回った。

前半、東京医療保健大に完全マークされたエース藤澤

❖第1Q立ち上がり、東京医保大のジャンプシュートで始まり、続けて同選手の3P(スリーポイントシュート)で先攻された。山学も再三、リバウンドからシュートチャンスを作り、#5エース藤澤夢叶(4年)の得意な3P等の攻勢を仕掛けるが東京医保大の堅守で、開始から4分間も得点を奪えない状況が続いた直後、ようやくゴール下の#14アデバンジョ・ブレッシングにパスが通り初得点を上げるが、その後も東京医保大の攻撃に苦しみ、7対24と大差をつけられた。第2Qに入っても、相手のディフェンスでの強いプレスや巧みなスクリーンプレーで山学のインサイド攻撃を阻止されるなど、なかなか得点に結ばなかった中でも、#14ブレッシングや#22アチャラ・オゲチクランシーのポストプレー、#5藤澤の2本の3Pが決まり出し、徐々に点差を詰めて25対36で後半へ。

❖後半第3Q、開始早々#13樋渡梨桜(2年)の3Pや味方のインターセプトから#5藤澤の3Pが生まれるなど良いプレーを見せるも、東京医保大の多彩な攻撃は衰えを見せず、38対58と差を広げられた。第4Q立ち上がり、さらに東京医保大のセットプレーで連続得点を奪われると、山学も#5藤澤のドライブシュート、スティールからのランニングシュートで反撃。しかし、東京医保大も得点を重ね、攻撃の手を緩めず点差が縮まらぬ展開が続いた。山学最後の攻撃、#13樋渡、#5藤澤が2本の3Pを決めて勝負への執念を見せるが及ばず、55対72で準決勝敗退。前回大会3位を上回る結果と因縁の相手、東京医保大への勝利を目指したが、今大会も3位決定戦に回った。

試合記録

◆山梨学院大のスターティング5(ファイブ)
〇#5・G藤澤夢叶④、#13・PG樋渡梨桜②、#14・Cアデバンジョ ブレッシング②、#18・C山田愛結④、#17・SG北條瑚奈②、#70・SF皆川もえ④の5人。
※#前〇印は主将、数字〇印学年

◆他登録メンバー
#0・SF平野和々美②、#1・G赤石華音②、#2PG・平野里奈①、#3・SG牧野琉依①、#6・SG森田ひなの②、#7・SG安藤美優①、#17・SG北條瑚奈②、#22・Cアチャラ オゲチクランシー④、#26・SG岩佐妃花②、#35・SG京橋菜々子③

◆交代メンバー
#7・SG安藤美優①、#22・Cアチャラ オゲチクランシー④が途中、随時交代した。

試合後インタビュー

林五十美監督は今日の敗戦の要因となった第1Qについて「硬さもあり、藤澤が完全にマークされていてこともあって、ディフェンスで我慢はしていたんですけど、なかなか点が取れず我慢の時間が長く続いたこと。それでもよく我慢したと思います。最初の10分間、すごくハードワークしてくれたし、諦めている選手は誰もいなかったので、そういうところでは、もちろん狙っていた(勝利)というのも、悔しい結果ですけども、今後につなげられるゲームだったかなと思います」。さらに「相手は優秀な選手が多いですし、交代でハードワークしてくるのに対して、自分たちもハードワークで戦えたということは今後の期待になりますし、走り負けない、当たり負けない身体をこれから作っていかなければいけない」と課題を挙げた。
絶対的エースの藤澤夢叶主将は相性が悪い東京医保大戦に「最初に差がついてしまったんですけど、自分だけでなくてみんなが頑張ってリバウンドやルーズボールを追い、前半はしっかりついて行けたと思います。それでも最後まで乗れなかった自分が悔しかった」と相手の厳しいマークに涙した。相手のプレーは「全員のシュート力が差だなあと感じています。リバウンドなど自分たちもしっかり絡んで負けてはいなかったと思うので、本当にシュートの差かなと感じています。今日の良かったところを、しっかり明日につなげて必ず勝ちたい」と3位決定戦に気持ちを切り替えた。
司令塔の樋渡梨桜選手は「相手は(身長が)高いので、ディフェンスの部分でもポストプレーなど全員で守り切るという意識はあったんですが、ミスマッチのところを相手は上手く突いてきたり、自分たちがプレッシャーを掛けられて、オフェンスが上手く回らなくて得点も止まってしまった」と相手の堅守に負けたとうなずいた。明日の3位決定戦は「今日も内容としては悪くはなく、昨日の早稲田戦は、自分たちのバスケがゲームの出足からできていたので、そこでしっかり勢いつけて、ディフェンスから全員で守って走るバスケを展開して絶対に明日は勝ちたい」と闘志を燃やした。

追記:5月4日行われた3位決定戦は、関東1部リーグ筑波大と対戦。山梨学院大が85対62で前回大会に続き3位入賞を果たした。大会結果は優勝:東京医療保健大学(3年ぶり5回目)、2位:白鷗大学、3位:山梨学院大学、4位:筑波大学、5位:早稲田大学、6位:拓殖大学となった。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.5.3