山梨学院大学ニュースファイル

2025年度東日本学生レスリングリーグ戦1日目

Vol.3489 | 2025年5月26日

バランスよい試合方式への変更でより熾烈な戦いに
山学、選手層の厚さを武器にまずは3戦全勝発進

フリースタイル7階級の大学団体対抗戦「東日本学生レスリングリーグ戦」が5月26日、東京・駒沢公園屋内球技場で開幕。26日1日目、27日2日目に予選リーグR(ラウンド)5試合、28日最終日に順位決定戦が行われる。今年度から試合方式が変わり、変更前の1部16校から12校に編成し直し、2ブロック制で実施。順位決定戦はそのグループ順位同士で戦い順位を決め、各ブロックの1位と2位の4チームによる「ファイナルステージ」で優勝を争う。前回大会で日体大の牙城を破り、6年ぶりの優勝を果たした山梨学院大は、方式が変わっても選手層の厚さで予選リーグR1位突破を狙い試合に臨んだ。1日目、予選リーグ1R3試合での初戦。神奈川大との対戦に、初陣を切るのは抽選順で86㎏級の増田大将。立ち上がりから主導権を握り、前半に10-0テクニカルスペリオリティ(TS)で勝利すると順当に勝ち進み、最後の61㎏級の須田宝まで山学大の強さを見せ7階級すべてをTSで勝利した。2Rは、専修大との対戦。抽選順3番手の57㎏級勝目大翔以外はメンバーを変えて臨み、初めに65㎏級荻野海志主将がマットに上がり9-0で勝利。チームを勢いづけた。2番手61㎏級は敗れるがチームは6-1で勝利した。3Rは国士館大との対戦。70㎏級の荻野大河がF(フォール)勝ちすると、続く3選手が連続TSで勝ち進み、57㎏級勝目は棄権で大事を取るも、残り2階級もTSで勝利。1日目、主力を温存しながらの戦いに3勝0敗とした。2日目は育英大と中央大と対戦する。

試合方式の変更、吉と出るか凶と出るか

同リーグ戦は、2014年大会から現行方式で試合を実施してきた。大会初日から実力チームの白熱した試合が展開されるなどメリットもある一方、初日の予備リーグ戦で1敗を喫すると優勝の望みがなくなり、モチベーションの低下につながるという問題もあった。(日本レスリング協会記事より)など、デメリットを検討しシステム変更を実施した。

この大会は創設以来、日体大がこれまでに29回(2023年)の優勝を誇り圧倒的王者として君臨してきた。その中で山梨学院大は、2013年から2018年まで6連覇を含む9度の優勝回数を重ね一時代を築いたが2019年、日体大に王座の座を明け渡してから、2回のコロナによる大会中止を挟み、2022年と2023年の日体大との直接対決で3対4の惜敗を喫し、2年連続で辛酸を味わった。その雪辱を2024年前回大会で6年ぶり10度目の優勝で払拭し、さらに11月の全日本大学レスリング選手権も制し、昨年度は団体戦二冠に輝いた。今また、選手層の厚い充実した時代を迎えるか、今大会が試金石となる。

今回、1部12校に編成し直しA、Bグループに分けた布陣は

Aグループ=山梨学院大、中央大、育英大、国士館大、専修大、神奈川大
Bグループ=日本体育大、日本大、早稲田大、拓殖大、東洋大、明治大の各6校

予選リーグ1R 《山梨学院大VS神奈川大》

予選リーグ1R(ラウンド)3試合での初戦。神奈川大との対戦に初陣を切るのは抽選での配列順に86㎏級の増田大将(3年)が立ち向かう。増田は立ち上がりから主導権を握り、前半に10-0テクニカルスペリオリティ(TS)で勝利。続く74㎏級真田颯大(3年)は果敢に攻め続けTS。昨年インカレ優勝の57㎏級勝目大翔(3年)は素早い動きで相手を寄せづけず、僅か1分20秒でTS。70㎏級平井友真(3年)、65㎏級森日我(1年)もTSで続いた。125㎏級永山鉄晴(1年)は不戦勝。最後の61kg級須田宝(3年)は昨年、世界選手権を制した小野正之助(4年)の2番手に甘んじていたが、昨年のこの大会を機に急成長。個人でインカレ優勝。全日本大学選手権でもチームの優勝に貢献した。

◆予選リーグ1R1日目《山梨学院大VS神奈川大 7-0で勝利》
 テクニカルスペリオティ勝ち6、不戦勝1

86kg74kg50-57kg70㎏65㎏85-125kg61kg
山学大増田真田勝目平井永山須田
〇不戦勝

予選リーグ2R 《山梨学院大VS専修大》

2Rは、専修大との対戦。抽選での配列順3番手の57㎏級勝目大翔以外はメンバーを変えて臨み、初めに昨年のU-23世界選手権準優勝の65㎏級荻野海志主将がマットに上がり、9-0で勝利。チームを勢いづけた。2番手61㎏級高野航成(3年)は階級を上げて出場したが敗れた。続く勝目は前半を0-1とリードされて後半に入り、徐々に得点を重ね7-3で寄り切った。70㎏級冨山悠真(4年)は後半にアンクルホールドからローリングを決めTS、74㎏級安藤慎吾(2年)、125㎏級ソヴィット・アビレイの堂々たる戦い、86㎏級五十嵐文彌(4年)は終始安定した戦いぶりで、ともにTS勝利。山学大は選手層の厚さを見せた。

◆予選リーグ2R1日目《山梨学院大VS専修大 6-1で勝利》
 テクニカルスペリオティ勝ち4、優勢勝ち2、優勢負け1

65㎏61kg57kg70㎏74kg125kg86kg
山学大荻野高野勝目冨山安藤ソヴィット五十嵐

予選リーグ3R 《山梨学院大VS国士館大》

3Rは国士館大との対戦。70㎏級の荻野大河(2年)が反り投げの大技でリードすると、そのまま僅か1分20秒、F(フォール)勝ち、続く増田は後半に力を発揮。65㎏級内田怜児(2年)も前半のリードを守り、終盤一気に攻め込みTSで勝利。続く61㎏級須田は、この1年でこの階級トップクラスに台頭。前半38秒、TSで勝利した。3選手が連続VSで勝ち進み、57㎏級勝目は棄権で大事を取るも、残り2階級で身のこなしが速い74㎏級安藤はそつなく4-0での勝利。125㎏級ソヴィットが日本人選手を寄せ付けず優勢勝ち。山学大はこの日の3戦を全勝で、2日目の予選リーグ残りの2Rに臨む。

◆予選リーグ3Rリーグ1日目《山梨学院大VS国士館 6-1勝利》
 フォール1、テクニカルスペリオティ勝ち3、優勢勝ち2、不戦負け1

70㎏86kg級65㎏61kg57kg74kg125kg
山学大荻野増田内田須田勝目安藤ソヴィット
不戦敗

試合後インタビュー

小幡邦彦監督は初日の戦いを「普段、みんな頑張っているのでいろいろな選手を使いたいと思っていて、出た選手はしっかり自分の仕事をしてくれたので、まずは初日にいいスタートが切れたと思います」。システムを変更した大会を「12チームで戦うシステムになり、弱いチームがいなくなったので、昨年より強いチーム同士の戦いとなり、1番手の選手が怪我をした場合でも2番手、3番手の力も必要になってくるので、総合力が余計に必要なルールになりました。その点、うちは力を付け底上げができているので、新しいルールになっても今年のチームの実力としては、特に問題はないかなと思います」と連覇を目指すチームに抜かりはない。
荻野海志主将もシステム変更を「試合のルールは変わりましたけど、山梨学院はオーダーをフルで組まずとも勝てる戦力は揃っており、圧倒的に7-0で勝利するつもりで臨んでいます」。1日目の感触は「日頃の練習の成果を出せる選手もいれば、緊張で出せない選手もいると思いますが、やってきたことは確かなので、他の大学との差はあるんじゃないかと思います」と自信を前面に出した。

暫定順位(1日終了時時点)

◆1部リーグ予選Aグループ
1位:山学大、中大(3勝)、3位:育英大(2勝1敗)、4位:専大(1勝2敗)、5位:神奈川大(3敗)

◆1部リーグ予選Bグループ
1位:日体大、日大(3勝)、3位:早稲田大(2勝1敗)、4位:東洋大(1勝2敗)、5位:拓大、明大(3敗)

文(K.F) 、カメラ(平川大雪) 2025.5.26