2025年度山梨学院大「学生チャレンジ制度」認定者決定
3件の企画が採択。独自性があり、新しい価値の創出
発表者全員が臆せず堂々とプレゼンを展開

2025年度山梨学院大学「学生チャレンジ制度」の2次審査及び認定書授与が6月25日、大学9号館English Cafeで行われた。この制度は、学生のやる気やチャレンジ精神に大学が経済面などで全学的に支援する制度で、30年にわたり『学生の課外活動を通じて得られる自主的探究心と積極的な行動力の涵養』を目的に実施されてきた。今回はビジネス枠、社会貢献枠をテーマに4月21日から5月30日の応募期間に、自力で実現可能な企画を募集。28件の応募から6月上旬の選考委員による1次審査で12団体を選考。25日に2次審査として企画者によるプレゼンテーションを実施した。各チーム・個人は山梨学院大各部長・センター長らで構成する審査員の前で企画内容、成果、課題、今後の展望などを発表。すべてのプレゼン終了後、厳選な審査の中、認定者を採択。今年は3件を選定した。ポイント順に国際リベラルアーツ学部・利根ゆうさんの「ダイバシティ展覧会」。展覧会(芸術)を通して学生の文化を発信。次に健康栄養学部・金丸佳音さんの「抗凝固剤服用者でも食べられる納豆もどきの開発」。他に地元の才能(音楽・アート・ファッション)を具現化する場を創出という国際リベラルアーツ学部SAMMS KIEREN(サムス キーレン)さんの「Show me Kofu」の3件。いずれも独自性があり、新しい価値を創出すると評価された。認定者は自身が立てた予算、スケジュールに合わせ、12月18日(予定)の成果発表会に向け実践的活動を開始する。
「学生チャレンジ制度」は1995年(平成7年)に発足し、2003年度(平成15年)には「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」にも採択された。今回30回目を越え、2022年、教育目標の一つとして掲げられた「たくましく生きる力」を育てるためのビジョンの一つ『自律的学習者を育てる総合的な学習支援』に基づき、新たに個性と能力の最大限の発揮を奨励し、新しい価値の創出を目指すとともに、時代の変化への適応と積極的な実行を通じて、学生主体の地域貢献や持続可能な大学コミュニティの構築など自力で実現可能な企画を募集した。募集期間は4月21日から5月30日にかけて行われ、応募書には実施計画書とピッチ動画(短時間プレゼンテーション)を提出。応募総数は28団体に上り、1次審査で12団体に絞られた。そして6月25日、青山貴子学長を選考委員長に、太郎良留美大学院社会学科研究科長・大学経営学部長、小山勝弘スポーツ科学部長、名取貴光健康栄養学部長、當眞正裕国際リベラルアーツ学部副学部長、近藤裕子共通教育センター長、齊藤眞美グローバルラーニングセンター長。また、今回は外部審査員として株式会社クスリのサンロード山下光浩氏も加わり8人による審査が行われた。選考基準は、教育的効果・人間形成への影響度・独自性・ユニーク度・実現可能度(予算・スケジュール)など総合的に審査された。
1次審査を通過した12団体。企画の認定に向けて全力アピール
大学9号館English Cafeで行われた「山梨学院大チャレンジ制度」2次審査及び認定者の採択に、選考委員や教職員、チーム以外の一般学生も多く集まり、仲間のアイデアを込めたプレゼンテーションを見守った。司会・進行はスポーツ科学部・上田誠仁教授が務め、初めに太郎良留美大学院社会科学研究科長・経営学部長は「みなさんのチャレンジがこの『チャレンジ制度』の趣旨に合っているか、この制度はみなさんのチャレンジ精神をバックアップするものでその精神に合っているか、それから今回、お金が出ますけど、予算の使い方、スケジュール。立案した計画が本当に実行できるのか、そしてみなさんの熱い思い。これらが審査員の方に審査してもらう基準になります」と注意点を示した。そして審査員の8人を紹介した。最後に「前に出て、審査員の方々や聴衆の方々に、楽しく思いのたけを発表してください」とエールを送った。
続いていよいよ12団体のプレゼンが1団体8分の持ち時間で始められ、それぞれが自信のテーマで独自のアイデアを紹介、審査員との質疑応答にもしっかり根拠を示し対応した。
すべての団体のプレゼンが終了すると、8人の審査員は別室に移動。採択者を選考した。その結果、ポイント順に国際リベラルアーツ学部1年・利根ゆうさんの「ダイバシティ展覧会」。次に健康栄養学部4年・金丸佳音さんの「抗凝固剤服用者でも食べられる納豆もどきの開発」。もう1件は国際リベラルアーツ学部4年SAMMS KIEREN(サムス キーレン)さんの「Show me Kofu」の3件が採択された。発表後、それぞれに青山学長から認定書が手渡された。
青山学長の講評
「学生チャレンジ制度」選考委員長・青山貴子学長は「今回は採択された団体の方がすごく少なくて、私たちも心苦しいというか、もっと見たい気持ちが多かったのですが、残念ながら認定されなかったプロジェクトも、ぜひ可能な範囲で種を育てていってほしいと思います。皆さんの“やりたい”というチャレンジの心が一番大事なポイントですので、次につなげていってほしいと思います。そして採択された皆さんは、他の悔しい皆さんの気持ちを受け止めつつ、皆さんが喜ぶプロジェクトにしてください」と励ましの言葉を伝えた。
最後に、司会の上田誠仁教授が「採択されなかったグループは残念ではありますが、敗者ではありません。とても熱いプレゼンテーションをしていただき、その気持ちをみんなが分かち合って、これからの学園生活にしてもらえれば」と今年度の「学生チャレンジ制度」認定者選考・授与式を締めくくった。その後、出席者全員で記念写真撮影をし、閉会となった。
閉会後、認定者の話
閉会後、認定者に話を聞いた。「ダイバシティ展覧会」の利根ゆうさんは「すごくうれしいです。他の方の発表を見ている時に自分の展示は、ここ足りないな、こういうところもっと詰めればよかったとところがあったのですが、発表するにあたって、自信を持って自分の企画が一番いいと思って発表しようとずっと心に決めていたので、それが伝わってよかったと思います」と話した。これからがの活動について「とりあえずこの企画をするにあたって手伝ってくれた先生方にお伝えして、この企画を秋の学期から始められるように準備していきたい」と喜びを語った。
「Show me Kofu」のSAMMS KIEREN(サムス キーレン)さんは「この度はこのチャレンジ制度で認定されてありがたいです。甲府ではいろんなタレントが集まっているのに、今はまだチャンスが少なくて、これからはこのイベントを通じてみんなにいろんなパフォーマンスを見せる広がりができありがたいです」。今後の活動については「イベントを行うことの一番の課題点というのは告知方法なんですけど、『Show me Kofu』の場合は、インスタグラムなどに参加しているミュージシャンの投稿を一人1個ずつ上げることによって、彼らのファンコミュニティでもイベントが広がるし、イベント自体も興味を持ってもらえるし、今回、最初に行う「Show me Kofu award」というのは、お客さんに誰が勝つかを投票してもらうという面白いイベントなので、学生や地域の方たちが多く来てくれるイベントにしたい」と話した。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2025.6.25