第102回箱根駅伝予選会 山学大昨年に続き3位通過
前回と同順位も、約22分縮める走力アップ
後方の集団走も指示通りに働き本選出場に貢献

「第102回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会」が10月18日(土)、東京都・立川市で行われた。山梨学院大陸上競技部は前回の本選は18位に終わり、来年の1月2日、3日の本選は、予選会からのスタートとなった。今大会は42校が出場、10校の出場枠を懸け熾烈な戦いが繰り広げられた。選考方法は各校10人以上12人までの選手が立川市・陸上自衛隊立川駐屯地から立川市街地を経て国営昭和記念公園までのハーフマラソン21,0975kmを走り、各校上位10人の合計タイムを競う。今大会は暑さ対策により午前8時30分にスタートとなり、滑走路には約500人の選手が並んだ。レースは序盤から留学生が日本人選手の大集団を引き離し、日本人が追う展開となった。山梨学院勢は、ブライアン・キピエゴが終始集団を引っ張り、そのまま好走を続けトップでゴール。日本人選手も第2集団で終始レースを進め阿部紘也が10位(日本人3位)、和田瑛登24位、平八重充希40位と2桁順位に入り健闘した。後続8人の選手は、集団走で安定した走りを見せ、山学大10人の総合成績は昨年と同じ3位ながら、総合タイムを約22分縮めるタイムを叩き出す走力アップに成功し、6年連続39度目の本選出場を決めた。本選までの2ヶ月半でさらなる底上げを図りシード権獲得に挑む。
山梨学院は2017年の第93回箱根駅伝出場でシード権を失って以来、予選会は2017年第94回4位、2018年第95回10位と本選でのシード権復活を図ってきた。しかし、2019年第96回予選会でまさかの17位と33回連続してきた本選出場を逃した。そして、2020年第97回7位で2年ぶりに34回目の本選出場に復活、2021年第98回4位(2年連続35回目)、2022年年第99回7位(3年連続36回目)、2023年100回記念大会では出場枠増での13位は薄氷の出場権獲得、前回大会の101回では3位とシード権獲得に大いに期待をもたせたが本選では18位と惨敗。今予選会は夏の合宿で質の高い練習での走力アップが成功し、個々の設定タイムも向上、予選会に臨んだ。
4人の上位選手の快走。続く後続の集団走がバランスのとれたチームで本選出場獲得
山梨学院勢は、昨年の予選会に全体2位となった留学生ブライアン・キピエゴ(3年)、阿部紘也(2年)、和田瑛登(3年)、平八重充希副主将(4年)の100位内の2桁走者を中心に12人が上位を目指した。レースは、午前8時30分の号砲とともに陸上自衛隊立川駐屯地の長い直線をスタート。留学生がこぞって集団の前に出た。山梨学院のキピエゴは積極的に集団の先頭に立ち集団を引っ張った。6kmの陸上自衛隊立川駐屯地出口付近、第1集団をキビエゴがトップで通過すると、約30秒後に阿部、和田、平八重がいる第2集団が通過して立川市街に出た。その後も山梨学院は後続を占部大和(3年)とした集団走も指示通りに順調に疾走する。後半に入り国営昭和記念公園に戻ってきた15km付近の山梨学院勢10人の通過タイムは1位の順天堂大に次いで2位と上々に推移。折り返しの17.4㎞から続く緩い坂でも山梨学院日本選手勢は粘りを見せ、ゴールに向かった。残り僅か20km手前からキピエゴは単独走で疾走。そのままトップでゴールテープを切った。その後、日本人選手も次々とゴール。山梨学院では10位に阿部(2年)が日本人3位でゴール。24位に和田(3年)、40位に平八重(4年)の3人が2桁順位でゴールした。占部大和(3年)をリーダーとした集団走の後続8人は、タイムを1分以内に揃えたバランスのとれた安定した走りで本選出場に大きく貢献した。結果は夏の來山、菅平、河口湖での合宿で鍛えた走力アップと、10日前にハローキティで知られる(株)サンリオとのスポンサー契約でこの大会からハローキティのロゴを左胸にあしらった新ユニホームで出場することが話題になったこともチームに力を与え、後押しとなった。 来年正月の箱根駅伝本選に6年連続39度目の出場となった今予選会の充実ぶりは2016年から遠ざかっているシード内復活を期待させた。
山梨学院大総合記録 21.0975km (10:32:44) 通過順位3位

各大学本戦通過順位
1位:中央学院大=10:32:23、2位:順天堂大=10:32:35、3位:山梨学院大=10:32:44、4位:日本大=10:32:57、5位:東海大=10:34:07、6位:東京農業大=10:34:59、7位:神奈川大=10:36:07、8位:大東文化大=10:36:12、9位:日本体育大=10:36:14、10位:立教大=10:36:56
大会終了後の報告会
大会後、山梨学院大学関係者、陸上競技部や保護者、OBなどの前で結果報告会を行った。はじめに出場選手を代表して平八重充希副主将は「走った選手全員が自分の持てる力を発揮できました。走った選手は12人ですが、応援に回った選手、サポートしてくれた方々の力で勝ち取った3位だと思います。本選に向け、必ずシード権獲得に向けやっていきます。これからも応援よろしくお願いします」と挨拶。続いて弓削征慶主将は「結果としては3位通過という順位で本選出場でき、一時は1位突破できるのではないかというくらい選手は頑張ってくれました。これまでの練習が間違いではなかったという走りをしてくれました。本選では必ずシード権を獲得しますのでメディアのみなさんももっと注目をしてください」と周囲を笑わせた。
最後に大﨑悟史監督が挨拶を行った。冒頭、応援に駆けつけてくれた皆さんに謝意を述べ、また、選手起用について説明し自身が求める走りをしてくれたと話した。続けて「選手は今回の成績に手応えを感じてくれたと思うので本選に向けて励んでくれると思います。他の部員も箱根に向けて力をつけている選手もいますので、これからは箱根駅伝の16人のメンバー争いをしつつチームはシード権獲得に向けていきたい」と本選への意気込みを述べた。
文(K.F) カメラ(今村佳正、小池裕太) 2025.10.18

