加藤佑太郎選手J3高知入団へ
身長190cmの長身ディフェンダー
山学大サッカー部12人目Jリーガー

山梨学院大学サッカー部から、また一人、Jリーガーが誕生することになった。男子サッカー部4年の加藤佑太郎選手(21歳)がその人、入団するのはJ3高知ユナイテッドSCチーム。27日に山梨学院広報スタジオで仮契約が結ばれ入団内定会見が行われた。加藤選手は身長190cm、85kgの長身DF、守備の要センターバック(CB)として関東大学リーグ2部の山学大チームを牽引してきた。加藤選手は「一日でも早く公式戦に出られるよう努力していきたい」と抱負を述べた。
入団内定会見には、山梨学院大サッカー部の横森巧総監督、岩淵弘幹監督、高知ユナイテッドSCの松山周平強化部マネージャーが出席、横森総監督は「1年の時から期待していて、順調に伸びてくれました。これからの成長が楽しみです」と話し、岩淵監督は「見た通り体は大きいですが、まだ未熟、伸びしろがたくさんあります。本人は努力を重ねると思います。チームやファンの方々に愛される選手になってほしい」とエールを送る。高知ユナイテッドの松山強化部マネージャーは「生まれ持った素質の可能性を高く評価しています。1月にチームに合流してもらい、競争を勝ち抜き8月からのシーズンに向けて頑張ってもらいたい」と期待を述べた。加藤佑太郎選手は東京都出身、東海大高輪台高から山学大に進み、昨季からトップチームのCBとしてチームを支えてきた。4歳上の兄加藤慎太郎選手はJ3FC岐阜のCBとして活躍中。加藤選手は「一日でも早く公式戦に出られるよう努力していきたい。自分の強みは空中戦や一対一の強みなので、そこを生かして兄弟対決できる戦力になり、勝利に貢献して高知SCの顔といわれるような愛される選手になりたい」と胸の思いを語った。
山梨学院大男子サッカー部は2009年に創部。大学初のJリーガー橋爪勇樹さん(VF甲府一筋8年在籍・引退)を筆頭に、西山雄介選手(ガイナーレ鳥取→現在オーストラリアのチームで活躍中)、フォファナ・マリック選手(水戸ホーリーホック)、関口凱心選手(大宮アルディージャ)、一瀬大樹選手(山学高→山学大→VF甲府)など、これまでに11人のJリーガーを輩出している。山学大から高知ユナイテッドSCへの入団は昨年の岡澤韻生(ひびき)選手に続き2年連続、加藤佑太郎選手は山学大出身12人目のJリーガーとなる。
また、2014年に強化育成クラブとして誕生した山学大女子サッカー部からは、初年度から4年間主将を務めた又吉果奈さん(ちふれASエルフェン埼玉のWEリーグ昇格に貢献し23年1月引退)を始め、鈴木日奈子選手(長野パルセイロ)、甲斐碧海(まりん)選手(大宮アルディージャ→渡欧しラトビア女子クラブに移籍)、上田佳奈選手(大宮アルディージャ→長野パルセイロ)、栃谷美羽選手(ちふれASエルフェン埼玉)、25年1月には一挙に9選手。また、今年7月に開催された東アジアE-1サッカー選手権に浜田芽来選手(大宮アルディージャWOMEN)・嶋田華選手(サンフレッチェ広島レジーナ)の2人が日本代表に選出されるなど、WEリーグ・なでしこリーグにこれまでに28選手を送り込んでいる。
さらに、2009年の第88回全国高校サッカー選手権に初出場で初優勝し、選手権制覇2回、インターハイ全国制覇1回の三つの輝く星を持つ1969年創部の山梨学院高校サッカー部からは、第1号の岡西宏祐さん〈VF甲府→現在は母校のGKコーチ〉、初優勝時の主将碓井鉄平さん(Ⅴ・ファーレン長崎などで11年間活躍し今年1月引退)、先日の町田ゼルビア天皇杯優勝に貢献した白崎凌平選手(清水→鹿島→町田)、インターハイ優勝の立役者宮崎純真選手(VF甲府→8月に徳島ヴォルティスに移籍)、2度目の選手権制覇の守護神熊倉匠主将(山学高→立正大→鹿児島ユナイテッド)らを輩出、そして、なんといっても、世界に羽ばたき、今、最も輝いている前田大然(山学高→松本山雅→スコットランド・セルテック)・渡辺剛(山学高→FC東京→オランダ・フェイエノールト)の2人の日本代表選手ら25人の選手がプロの世界に羽ばたいている。
山梨学院高サッカー部のクラブハウスには、初優勝を目指す時に掲げられた故イビチャ・オシム氏の言葉「ゲームに負けることはある。ただ負けるにしても、自分たちのプレーをやり切って負けるのと、そうでないのとでは大きな違いだ」が今も掲げられている。代々の選手たちはこの言葉を見て育ち、プロの世界に、社会に巣立っている。
文(井出昌孝)・カメラ(平川大雪)2025.11.27

