燃えて攻めて大学日本一を奪還
昨年決勝で敗れた日体大に雪辱し優勝
加島が寺村が伊藤が魂の日本一ゴール

“大学日本一決定戦”「全日本大学女子サッカー選手権」(インカレ)決勝が1月6日、東京・味の素フィールド西が丘で行われた。山梨学院大女子サッカー部は創部10年目だった2年前にこの地で初の大学日本一を獲得し、昨年は決勝で日体大に敗れて2連覇を逃した。選手たちは優勝旗奪還を目標に、この1年間、ひたすら厳しい練習に取り組み力と技とチームプレーを高めてきた。決勝の相手はその日体大。山学イレブンはリベンジを果たすために、リベンジの舞台西が丘の決勝ピッチに立った。前半に加島希夏と寺村穂香が魂のゴールを決め、後半に伊藤琴音が鮮やかなミドルを放ち3得点、日体大に2点を奪われたが、3-2で昨年のリベンジを果たし、大学日本一の優勝旗を奪還した。
山梨学院大女子サッカー部のこの1年は、この日のために、この舞台に立つためにあったといっても過言ではない。順調にこの日を迎えたわけではない。関東リーグでは攻守がかみ合わず6位でリーグ戦を終えた。11月の皇后杯ではなでしこリーグ1部3位の強豪静岡SSUに歯が立たなかった。しかし、チームは下を向くことはなかった。敗戦からも確かな手応えと収穫を得ていた。
迎えたインカレの舞台、チームは奇跡的な大逆転勝利を2度も起こした。年末に大阪で行われた準々決勝の東洋大戦、敗戦濃厚の0-1で迎えたアディショナルタイムに後半途中投入のFW中込悠(4年)がコーナーキックからのボールをゴール前に詰めてゴールを決め試合終了寸前に同点に追いついた。迎えたPK戦、今度は守護神GK本多陽菜が大躍動した。東洋大のPKを右に左に飛んで2本も止めて大逆転勝利した。年明けの4日に西が丘で行われた準決勝の東京国際大戦では、ライブ配信の実況アナが「このままいけば延長戦です」といった直後の後半終了寸前のアディショナルタイムに、この試合も後半から投入されたFW中込悠がゴール前に絶妙のクロス、これを最後尾から駆け上がってきた高2まではFWだった超攻撃的DF一瀬葵夢が左足を振り抜きゴールネットに突き刺した。その1分後に試合終了の笛、東京国際大を1-0で振り切り、昨年逃した優勝旗奪還に王手をかけた。
こうして迎えた決勝の舞台、山学イレブンは、白とグレーのセカンドジャージ、日体大は青のファーストジャージで西が丘のピッチに立った。山学イレブンは1年前の雪辱を果たすべく、心の炎(ほむら)を燃やし、燃えて、燃えて、攻めて、攻めて、攻め上がった。前半27分にMF加島希夏(3年)が試合を動かした。ゴール前に詰めて体を投げ出し倒れ込みながら先制ゴールを決めた。31分に強風に煽られ大きく曲がったCKボールを止められずオウンゴールで同点に追いつかれたが、その直後に得たCKで香椎彩香(4年)がニアサイドに絶妙なボールを上げ、マークを外してゴール前に走り込んだDF寺村穂香(4年)がヘッドで合わせて勝ち越した。後半24分にはエースストライカーのFW伊藤琴音(3年)が右足を振り抜き鮮やかにミドルシュートを決めて突き放した。33分に1点差に詰め寄られたが、最後まで日体大に走り勝ち、3-2でリベンジを果たし大学日本一を勝ち取った。山学大の決勝進出は4年連続、準優勝、優勝、準優勝、そして優勝。選手たちは奪還した優勝旗と優勝カップを手に、バックスタンドで「♪さあ 行こうぜ~どこまでも~、走り出せ~走り抜け~」と大声援を送り続けてくれた仲間たちのもとに走った。
試合結果


試合後、同点にされた直後に勝ち越し点を入れた寺村穂香選手は「相手のGKがファーに強いと分かっていたのでニアで勝負のサインが出て、マークを外せて狙い通りに打ててよかった」と話し、3点目を奪った伊藤琴音選手は「ここは自分が決めてチームに貢献したいと思い、吹かさないように押さえてシュートを打ちました」と語った。大高心主将は「試合の入りから最後まで気持ちを切らさずに戦いきれたことが勝因だと思います」とリベンジ戦を振り返った。村上裕子監督は「難しい試合になると思っていたので、しっかり走り切ること、走り勝つことをテーマにやってきました。それを実行してくれた選手たちが逞しく見えました。最後まで戦ってくれた選手たちを誇りに思います」と答えた。苦しかったシーズンを乗り越え、逞しく成長した山学大女子サッカー部が、年明け早々の学園に最高の朗報をもたらしてくれた。
文 (井出昌孝)カメラ (小池裕太) 2026.1.6

