山梨学院大、6位で予選通過。箱根駅伝2027予選会
5km地点13位。徐々に集団走のペース上げ
個人はブライアン・キピエゴが2年連続1位

第103回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の予選会が10月17日、東京都立川市内で45校、535人のランナーが参加して行われた。山梨学院大は10時間35分18秒のタイムで6位となり予選を突破。来年1月2、3日に行われる本大会出場を決めた。山学大の箱根駅伝出場は7年連続40回目。節目の出場となる。また、個人ではブライアン・キピエゴ(山学大4年)が1時間0分48秒のタイムで2年連続1位でゴールした。
大﨑悟史長距離駅伝監督は「キピエゴが全体1位。初出場の4人がチームの10番以内に入るなど今、私が求める走り方、戦略通りに走ってくれた6位でした。選手は頑張ってくれましたが、ここは通過点。箱根駅伝のシードがチームの目標ですので、今後もそこを目指していきたい」と語った。
45校が参加。本大会への出場切符は10枚
10枚の本大会出場切符を争う予選会は、今年1月の本大会でシード権を獲得した青山学院大などの10校を除く45校が出場した。
コースは、陸上自衛隊立川駐屯地内をスタート、駐屯地内の滑走路周囲を3周(約8km)した後、立川市街地を約6km走り、14kmの手前で国営昭和記念公園内に入りアップダウンの続く約7kmを走ってゴール。全長はハーフマラソンと同じ21.0975km。
各校12人まで走ることができ、そのうち上位10人の合計タイムで順位を競う。集団で走って安定したタイムを出すか、エースが飛び出して全体のタイムを縮めるかなどチームにより戦術も異なる。
天気は秋晴れで強い日差し。キャップを被った選手も多い。スタートは昨年より1時間30分早められて午前8時30分。スタート直前、北からの風が強まり選手のユニフォームや髪を揺らす。
向かい風でスローペース。留学生集団にピタリ日本勢
号砲一発。横一列に整列した45チーム、535人のランナーが一斉に駆け出し、壮観なスタートで幕は上がった。
ランナーはこの風に向かって滑走路周囲をまず北上、反時計回りに約3周する。周回なので南下する時は逆に追い風になる。スタート直後に先頭集団を作った山学大のブライアン・キピエゴら留学生たちだが、この向かい風のためにペースが上がらない。1km3分を少し下回るスローペース。留学生集団の直後に多くの日本人選手が離れずに続く珍しい展開となった。
周回コース2周目の5km地点。山学大の暫定的な順位は13位。10校という出場枠の圏外だが、1つ上の12位・日体大とのタイム差はわずかに2秒。やがて周回を重ねて、集団は自衛隊立川駐屯地を出て立川市内へと入った。
高架を走る多摩モノレールと交差するあたりが10km地点。山学大は順位を3つ上げ本大会出場圏内の10位に躍進。9位の日本歯科大との差はわずか7秒と射程圏内だ。
15km地点。山学大6位にジャンプアップ
10kmを過ぎたころレースが動く。ハーフマラソンの日本学生記録保持者・リチャード・エティーリ(東京国際大)らと先頭集団を走っていたキピエゴが10km過ぎに単独トップに立つ。キピエゴは先頭のまま14km手前で国営昭和記念公園に北側の砂川口から入る。残り約7kmだ。
15km地点、先頭はキピエゴ。通過タイムは43分17秒。その後、各校のエース14人が通過。キピエゴから約1分30秒後、日本人ランナーが集団で通過する。ここで山学大は6位にジャンプアップ。5位とのタイム差は39秒。
18km地点。山学大の順位は変わらず6位。しかし、5位・大東文化大との差は20秒に縮まった。
ゴール地点。トップで入ってきたのは2年連続で山学大のキピエゴ。1秒でも速くと歯を食いしばっての激走。ゴール直前、右手で誇らしげに2年連続1位を示すピースサイン。そして大きくガッツポーズをしながらテープを切ると左手の腕時計を止め、最後は胸の前で小さく十字を切った。10km過ぎに単独トップに立ってからはその座を譲らなかったキピエゴ。「暑くてきつかった。でも今年も1位でゴールできてうれしい」と喜びを語った。
その後は数秒おきに上位選手が次々ゴール、やがてゴールラインは大集団にかき消され、レースは幕を閉じた。
結果発表。静まり返る会場。1位は21年ぶり予選会に出場した東洋大。2位中央学院大に2分以上の差をつけた。その後、東海大、専大、東農大と続く。そしてついに「6位、山梨学院大学」のアナウンス。その瞬間、揃いのブルーのウエアに着替えた山学大チームから大きな歓声。全員が手をたたいて予選通過を喜んだ。握手を交わし、肩をたたいて喜び合う。2年連続で全体1位のキピエゴは視線を足元に落とすと、ひじから先だけで小さくガッツポーズ。喜びをかみ締めた。
山学大の上位10人の合計タイムは10時間35分18秒。1位で通過した東洋大は10時間31分30秒。その差は3分48秒だった。
試合結果


低い順位にも焦らずチーム全員でつかんだ6位
【田原匠真主将の報告会あいさつ】
直前のけがのために1万メートル28分台の選手たちが走れない中で、自分たちのやるべき事をやれば予選通過できる、という事を全員で話し合いました。レース序盤は順位が低かったですが、そこで焦らずにやってきた事をやって、後半から徐々にペースを上げ、全員で6位をつかむ事ができました。これから本戦に向かいますが、近年は下位に沈んでいますので、これから自己ベストなどを狙っていきたいと思います。箱根駅伝でシード権を取るためには何をすれば良いのか、そこに持って行くためにはどうすれば良いのか、そういう事を一人ひとりが考えていけば必ず届く所だと思っています。チーム一丸となってやっていきましょう。お疲れ様でした。
私が求める走り方、戦略通りの6位。しかし、ここは通過点
【大﨑悟史長距離駅伝監督の報告会あいさつ】
たくさんの方々の応援ありがとうございました。結果は6位通過でしたが、前評判ではトップ通過もあり得ると言われていました。個人的には(前評判に浮かれて)足元をすくわれると怖いという思いでした。加えて28分台の力のある選手3人がけがで走れないという状況でした。
チームの戦略的には、キピエゴには留学生のトップ争いをしてほしい。占部、和田、松岡の3人には日本のトップ選手との勝負でタイムを稼いでほしい。5番目以降の選手には平井を中心に集団走で行ってほしい、という役割でした。田原も調子が上がり切っていなかったので最後の12番のところは崩れずにきっちり見守ってくれたらという思い。
その中で今回初出場の4人がきっちり10番以内に入ってくれました。私の中ではチームとしては今、私が求める走り方、戦略通りきっちり走ってくれた6位でした。選手は頑張ってくれたと思います。
しかし、ここはあくまでも通過点。箱根駅伝のシードをチームの目標にしています。そこは変わらずやっていきたい。今回ありがたいことに全日本大学駅伝にも出場できます。今現在、他の大学とどれほど勝負できるかという指標になります。本日、皆さまの応援が選手のいい後押しになりました。ありがとうございました。
(文 古屋賢二)(カメラ 今村佳正) 2026.10.17

